60mm幅のベルトサンダーでヘアライン仕上げをやっていると、もう少し幅が欲しいということがあります。
100mm幅のベルトサンダーはA社から出てはいますが、120,000円もします。
そこで、安価な19,900円のものを使って、100mm幅のものに改造することにしました。
おすすめの改造です。
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100mm幅ベルトサンダーへの改造
60mm幅のエアベルトサンダーは、安価なものが出てきましたが、100mm幅のものは、残念ながらまだ見当たりません。
80mmのアルミ板にヘアライン仕上げをする時、60mm幅だとガイドをずらして2度サンダーをかけることになりますが、どうしても一度目と二度目の境目が出てしまいます。
100mm幅だと一度でキレイに仕上がりますね。
とは言え、120,000円では、とてもいただけません。
ということで、60mm幅から100mm幅へ改造したので、方法をご紹介します。
駆動軸とガイド軸の二本のローラーを作ります。
この写真は現在使っているもので、左二つは60mm幅のエアベルトサンダーの部品です。
右の二つが、今回のカモジースペシャル100mm幅のものです。
駆動軸のスポンジローラーを作ります。
スポンジローラー用のシャフトは、純正品のシャフトと同じ径で、100mm幅のベルトがかけられる長さにPOMを加工しました。
ここではPOMを加工していますが、ホームセンターなどで売っている堅木の丸棒を加工しても簡単にできます。
これは、もっとも簡便で自由度の大きな方法です。
手順
- 25φくらいの丸棒を、100mmの長さにカットする。
-
センターに駆動軸の直径+0.5~1.0の穴を開ける。
穴の深さの寸法は、駆動軸の長さ+0.5~1.0mm。
穴径は、シャフトの径+0.5くらいのアバウトさでも大丈夫。ある程度の偏心はスポンジが吸収してくれる。 - 逆側からキャップスクリューで止めるための穴を開ける。
さらに、キャップスクリューの頭が入るための穴をあける。
シャフト穴との間隔は5mm程度 - 2mmくらいの厚さのスポンジを20~30mmの帯にして、巻き始めは養生テープで止めて置き、グルグルと引っ張り気味に巻き付ける。
- 40~60mmくらいの好みの直径まで巻き付ける。
- 最後は養生テープで止め、その上を養生テープでグルグルと巻く。
ここまでで、シャフトは完成です。
次にスポンジ層を付けます。
この時の注意点は、スポンジと養生テープを巻く方向です。
ローラーの回転方向と逆の向きになるように巻きます。
同じ方向だと、使っているうちに、ベルトとこすれて剥けてきてしまう。
これでちゃんと機能するスポンジローラーが出来上がります。
このスポンジローラーは、駆動軸に取り付けて共回りさせます。
この状態で1年くらい使えていますが、これが壊れて来たら、また巻き直せばいいだけなのですこぶる簡単です。
別の方法もある
もう一つの方法は、スポンジローラーの再生のところで使ったやり方で作ってみるのもいいでしょう。
または、純正品のスポンジローラーの径に近い、市販のスポンジ管に合ったシャフトをPOMで作って、一発でスポンジ管を嵌めるという方法もありです。
ガイドローラーを作ります。
ガイドローラーはベルトに張力を与え、また、ベルトの位置を規定する役目のものです。
駆動軸であるスポンジローラーからの力を受けて、自由に回転するように両端にベアリングが入っています。
軸にベアリングのストッパーのためのネジが切ってあります。
ベアリングの嵌めあいは固くないので、比較的簡単に抜くことができます。
ここでは、カモジーの壊れてしまった初代A社ベルトサンダーのパーツを流用しました。
適当な堅木の丸棒でもつくれます。
スポンジローラーとガイドローラーの直径は、軸間の距離と張力を調整するための長穴の範囲内であれば自由に決めることができます。
なので、ホームセンターなどに置いてある、20~30mmくらいの、適当な丸棒を利用して作ることもできます。
ローラーの両端に、ベルトガイドのためのツバを付けてやります。
この場合、ベアリングを付けないで、簡単に作ることも可能です。
ただし、ときどきシャフト穴に注油をしてやる必要はあります。
まとめ
100mm幅のエアベルトサンダーの価格にたまげて、自作することになりましたが、いざやってみると意外と簡単に作れることが分かりました。
いろいろな方法で作って、使ってみた結果、現在のところの簡単かつ、お金のかからないおすすめの方法は
- スポンジローラーとガイドローラーは木の丸棒をベースに作る
- スポンジローラーは水道管用の保温チューブを利用する
- ガイドローラーはベアリングなしで作る
このようにすると、120,000円と同等のものが、20,000円強で簡単に作ることができました。
ぜひ試してみてください。満足されると思います。
なお、改造のベースになる本体の記事はこちらです。