40mm角のものと10Φで長さが200mm丸棒などの木の小物を、大量にバリ取り・研磨することになり途方に暮れることになりました。
最初は紙やすりでゴシゴシとやってみましたが、とてもじゃないけど取り切れません!
ということで、四角や丸棒状の小さな木製品を、バリ取り・研磨するバレル研磨加工機を自作することにしました。
バレル研磨機とは
バレル=barrelとは樽のことです。
このバレル=樽のなかで研磨するのでバレル研磨機というのですね。
一般的なバレル研磨機は、バレル(容器)の中にワーク(被加工物)とメディア(研磨材)とコンパウンド(研磨補助剤)と水を入れて、かき混ぜてワークを研磨します。
かき混ぜる方法としてバレルを回転させたり振動させたりして、主として金属の面取りをしたり表面を研磨したりします。
しかし、このバレル研磨機は木製品には使えません。木が汚れてしまってどうにもなりません。
木に使えるバレル研磨機
そこで
- コンパウンドと水は使わない
- 研磨材は混入しない
というバレル研磨機を作ることにしました。
一般的なバレル研磨とは加工方法は違いますが、樽の格好をしているのでバレル研磨機と言ってもいいでしょう。
面取り・研磨が終わった後で、研磨材とワーク(木材)を分離するのが大変そうなので、研磨材を一緒に混入しないことにしたのですが、さてどうしたら良いのかな。
そこで、内面に紙やすりを貼り付けて削ることにしました。
具体的には、ベルトサンダーの#60の使い古しを貼り付けることにしました。
横向きで回転させる
バレルを横向きにして回転させようと思いますが、円筒では中で滑るだけなので、八角にしてゴロンゴロンとなるようにします。
バレル本体の材料はコンパネを使います。
ズダボロになったコンパネがありましたので、これを使うことにしました。
回転軸は12mmの寸切りボルトを貫通で使います。
両端をサドル型ベアリングで支えて速度調整ができるギアモーターで駆動します。
ジャンクの洗濯機モーターをプーリーとベルトでやってもいいでしょうね。
あまり早く回すと遠心力で内面に張り付いただけになってしまうので、ワークが内面の頂点まで行く前に落下するような速度にします。
両側にSPFでフレームを作ってベアリングを支えます。
八角にしたバレルの一面をワークの投入口・取り出し口として開閉できるようにします。
加工は楽ちん
科学教材「ダビンチの橋」の丸棒パーツのバリ取り・研磨をします。
ワークの丸棒は、一度に20本位を切れるジグを使って、パネルソーでバサバサと切って作りました。
投入口からワークを放り込みますが、入れる量は多からず少なからずという、中でワークが動きやすい量にします。
とは言え、ワーク同士がぶつかって研磨するというやり方ではないので、たった1本でも研磨出来てしまいました。
投入してから15分くらいで完成です。キッチンタイマーで見ています。
1回だけ 「入・切」できる簡単なデジタル電源タイマーを使えば、スイッチを入れた後は完全に手放しでいいので、さらに楽ちんですね。
加工が済んだら、投入口を下側にしてワークを掻き出して終了。
回している間はガラガラとうるさいので、離れたところにいましょう。
加工中に他のこと(ビールを飲んだり・・・冗談です)をしていられますので、楽ちんですね~。
ガラ箱と呼んでます。
まとめ
大量の小さな木の面取りに困って加工機を探してみましたが、見つからなかったので自作しました。
手で1個1個やるよりも均一で美しい仕上がりになります。
早くてかつ、手放しでいられるので大変に重宝しています。もう手ではやりたくありません。
作りは単純で簡単なので、困っている方はどうぞ試してみてください。