すんごいことを知った!
と言っても知ってる人には、当たり前じゃんという話なんですけど・・・
うかつにもカモジーはアラセブンチになるまで知らなんだ!
糠漬けなどの植物性の乳酸菌は、ヨーグルトなどの動物性の乳酸菌よりもはるかに強力なんだそうです!
カモジーの工房では、籾摺り・精米をやっていて、糠が沢山出るので、これを使わない手はない!
ということで、糠漬けの桶を檜で作って、糠漬けを始めることにしました。
製作途中から現在進行形で書いていきます。
Contents
ぬか漬けの容器を木で作る
ぬか漬けの容器は、多くはプラスチック製や常滑焼のような陶器のものが多いです。
カモジーの工房は、一応木工もやってますので、ここは一つ、木で作るということでやるのであります。
ぬか床が出来上がるまでは3週間ほどかかるので、その間に糠桶を作ることにしました。
木で作るぬか桶のデザインは、檜の丸太をくりぬいた形になります。
密閉したプラスチック製や陶器の容器では、水分過多になることが、ままあるようで、ペーパータオル等で吸い取ったりしています。
丸太をくりぬくと、導管方向には水が行き来できるので、水分調整には有効だろうという目論見です。
外形寸法は、夏場に冷蔵庫保管をするために、工房の小さな冷蔵庫の棚の天地奥行に合わせます。
ということで早速森林組合に行って、檜の丸太を仕入れてきました。
元の直径が200mm、長さが2100mmで400円、安っ!
必要な長さは300mmくらいなので、後は来シーズンの薪にしますかね。
余談ですが、写真の右に写っているのは荷台ボックスの便利な取り付け方です。
玉切りして外形寸法を整える
冷蔵庫の奥行は300mmで棚の天地は120mmなので、左右は成り行きとして、長さ300mmで玉切りします。
玉切りしてると、檜のいい香りがします。
チョイト心配なのは、檜にはヒノキチオールという成分があって、殺菌作用があるんですね。
これはカビを防止してくれそうですが、乳酸菌もやっつけるんじゃないかと少し心配です。
とは言え、乳酸菌は強いらしいので、大丈夫かな~
ガンバレ乳酸菌!
詳しくは食品分析開発センターのこの記事が参考になります。
大まかな形にする
玉切りしたものを、帯鋸と自動カンナ盤で大まかな容器の形にしました。
手鋸と鉋で同様にするのも、時間はかかりますが、比較的容易にできると思います。
上に乗ってる板は蓋になる予定です。
内側を彫り込んでいます。
これは鉄鋼用のフライス盤でやっていますが、ノミでやれますね。
底に20mmを残しています。左右はそれぞれ40mmにして、水分の染み出しがどれくらいになるのか様子をみることにします。
放射状に入っている割れは、中に湿ったぬか床が入るので、これ以上は成長しないと思います。
蓋はそのまま乗せると、反りかえってしまうので上下を入れ替えてます。
ぬか漬けは夏場は発酵が進み過ぎるので、冷蔵庫保管にして発酵速度を調節します。
工房の小さな冷蔵庫にも入るサイズです。
長期間留守にする場合は、冷凍庫に入れて発酵をほとんど止めてしまいます。
この後は、下の「実際にやってみる」に書いていきます。
糠漬けはすごいな~
普通のヨーグルトなどの動物性の乳酸菌はほとんどが胃で死滅してしまって、なかなか小腸までは届かないらしいんですが、糠漬けなどの植物性の乳酸菌は、はるかに強力でかなりの割合(動物性の約10倍)で小腸まで行くそうです。
ちなみに、明治のR-1は動物性でも小腸まで届くように特別の仕掛けをしてあるそうで、インフルエンザで軒並み学級閉鎖に追い込まれた地域で、これを給食で出していた学校だけは無傷だったそうです。
乳酸菌はいろいろと良い作用をしてくれるそうです。
詳しくはこの本「ウソだらけの健康常識」に出ています。
カモジーが糠漬けをやると言ったところ、友人が、すぐに漬けられるという糠床を持って来てくれました。エスビー食品の「ぬか漬けの素」という製品です。
カモジーの工房では、籾摺りから玄米を作って精米して三分から五分搗きで食べていますが、かなりの糠が出ます。
これまでは、コンポストトイレに入れてバクテリアに食べてもらっていて、もったいないな~と思っていたんですが、これは渡りに船ってことで、いい感じになりそうです。
実際にやってみる
糠床を作る
「ぬか漬けの素」はすぐに漬けられるようになっているんですが、これをベースに工房の糠と混ぜて糠床を作ることにしました。
今回のように「ぬか漬けの素」のような熟成したぬか床を使う場合は、その熟成ぬか床と新たな材料を、捨て漬け野菜を加える前段階で混ぜ合わせます。
乳酸菌が増えやすい環境が整っているので、捨て漬けが必要な期間も短くなるというわけです。
少し詳しいぬか床の作り方は下の「おまけ」に載せました。
この写真は工房の精米機から出る糠と「ぬか漬けの素」を混ぜて、捨て漬け野菜を入れて、三日目のものです。
最初は少しパサついていましたが、野菜から水気が出てしっとりとした感じになっています。
檜の漬け桶に糠床を入れる
容器が出来上がったので、早速出来上がり途中の糠床を入れることにしました。
上にも書きましたが、ぬか漬けの素を合わせているので、すでに茄子と胡瓜を入れてあります。
水分調整
容器に糠床を入れてから24時間後の状態ですが、水分が染み出て来ています。
白太の部分の下側に出てきています。
下側に水分が溜まってきているということですね。
茄子とか胡瓜や大根を漬けるとすぐにベチャベチャになってきます。
表面がベチャベチャということは、底はダブダブで溺れているような状態でしょうね。
ぬか床は混ぜた後はよく押さえて空気を抜くというふうに言われていますので、乳酸発酵は好気性ではなく、そんなに問題ではないのかもしれません。
茄子や胡瓜は1日漬けておくと、みごとにシナシナになってかなり水分が抜けています。
どのくらいの水分が抜けるのか測ってみます。
この後、失敗しました。
このまま漬けてもいいだろうと、ぬか床に入れたのですが24時間経って取り出してみても、全く漬っていません!
表面はツヤツヤのままです。
ここでようやく茄子は塩もみをして入れるという意味がわかりました。
そりゃそうですよね。茄子が成っている間に水分がどんどん蒸散してしまったら、茄子になりません。茄子の干物になってしまいます。
ということで、塩もみをして二つ割にして漬けました。
すると15g=15cc減っていました。約15%ということですね。
天地返し
天地返しが勧められているのでやってみました。
狭い桶の中で天地をひっくり返すのは、外にボロボロこぼれたりしてなかなか難しいですね~
そこで、横にプラ容器を置いてワッセワッセと中身を移してまた戻すというふうにしました。
これなら簡単にできます。
この辺りのことは、友人が教えてくれた「楽しいぬか漬け生活!」に詳しく出ています。
なんで旨いんだろ?
実は、この文章は、できたばかりの胡瓜のぬか漬けを薄切りにして、トーストサンドにしたものを食べながら書いています。
そう言えば、パンも発酵食品ですね。
これが実にうんまい!旨いのであります。
なんでこんなに旨いんだろうか?
カモジーの口は、グルメの方のおいしいお口と違って、至って素朴なんですが・・・
今まで食べていたぬか漬けとは、な~んか違う気がする。
上記の「楽しいぬか漬け生活!」によれば、スーパーなどで売っているぬか漬けは、ぬか漬け風味食品で乳酸菌はほとんど入っていないそうです。似て非なるものなんですね。
ぬか床に入れてある旨味成分としては、昆布、煮干しくらいですが、単にこれだけの旨味なんだろうか?
乳酸発酵で何か旨味に変化があるのだろうな~。
舌が旨いと感じるのは、体が欲しているからだと思うんですね。
とすると、体が乳酸菌を必要としているということだろうか?
アラセブンチのぬか漬け
アラセブンチのカモジーは入れ歯であります。
普通の歯の人には想像できないと思いますが、噛む力がはなはだ弱いのです。
ぬか漬けは生の根菜類を漬けるので、そのままでは歯が立ちません。
ぬか漬けの旨さの内には、あのパリッとした歯ごたえも大事な要素なんでしょうが、入れ歯のジーサンには望むべくもありません。
そこで、普通の切り方より薄く切ります。
大根はなんとかかみ切れるますが、人参はかみ切れません。
ということで、ぬか漬けの先輩からは叱られそうですが、人参を茹でて柔らかくしたものを漬けてみることにしました。
柔らかいぬか漬け?!
じゃじゃーん
成功です。
このくらいの塊のものは、絶対に歯が立ちませんが、これなら歯なしでも楽勝でいけます。すんごく嬉しい。
とてもうんまい!
カモジーには、バターたっぷりのグラッセよりも美味しいです。
酒の肴にもピッタリです。
これに味を占めて、大根もやってみます。
今度は、人参と同じに茹でてから漬けるのと、冷凍して組織を壊したものを生のままで漬けるという二通りをやってみます。
結果は、煮たものは、あまりに柔らかすぎでした。冷凍したものは、かなり歯ごたえがありましたが、入れ歯でOK!
次は大根を電子レンジでチンしたものをやってみます。
結果はグーでした。硬すぎず、柔らかすぎずでちょうどいいです。人参も同様でした。
柔らかいぬか漬けのまとめ
大根、人参、ごぼうなどの、入れ歯人には硬すぎる根菜類は、レンジでチンして漬けると丁度いい硬さ・柔らかさになって、美味しく沢山食べられるようになります。
そう言えば、かなり話は違いますが、昔ユーチューブですんごいばーちゃんの映像を見たことがあります。
八十から九十くらいのばーちゃんなんですが、全部自分の歯で!好物は梅干しの種を奥歯でかち割って、中身を食べることなんだそうです。ドッヒャー!ビックリしました。
おまけ
糠床の作り方をググって見るといろいろと出てきます。フムフムなるほど。
代表的な糠床の作り方はこんな感じです。
白ごはん.comさんのサイトを参考にして、以下抜粋・加筆してみます。
ぬか床の材料 (2〜3人分)
生ぬか … 1㎏
水 … ぬかと同量=1kg=1L
自然塩 … ぬかの13%→130g
昆布 … 5㎝四方を3枚ほど
唐辛子 … 2本
かつお節 … 8gくらい
煮干し … 5匹くらい
干し椎茸 … 少々
実山椒 … 少々
捨て漬け野菜 … 適量
水は菌を殺す塩素の入った水道水ではなく、ミネラルウォーターがいい。
捨て漬け野菜というのは、ぬか床のはじめの発酵をうながすためのもので、キャベツ外葉、にんじんと大根の皮、大根の茎の付け根と根っこ部分、白菜の芯など。
はじめの混ぜ方と捨て漬け
ぬかと塩と水を混ぜ合わせる
生ぬかをボウルに入れ、はじめに塩を加えてざっと混ぜ、続けて水を加えてかき混ぜる。
ぬか床に風味素材や捨て漬け野菜を入れる
ぬか床のベースができたら保存容器に移し、かつお節、唐辛子、干し椎茸、実山椒を加えて混ぜ合わせる。硬くて混ぜにくい昆布と煮干しは最後に入れる。
捨て漬け野菜を入れる
捨て漬け野菜がすべて入ったら表面を軽くならし、硬い昆布と煮干しを刺さるところに差し込む。
蓋を閉める前に、手のひらでギュッと表面を押し付けて空気を抜く。酸素の少ない環境を好む乳酸菌のために、空気を抜くようにして押さえてあげる。
捨て漬け期間の手入れ
捨て漬け野菜を入れたらはじめの10日間は1日2回、底からしっかり混ぜ、次の10〜20日間は1日1回に減らして混ぜていく。
捨て漬け野菜を交換する目安は4〜5日たったら入れ替える。入れ替えるときは漬けておいた捨て漬け野菜のぬかをできるだけ落とし、ギュッと野菜の汁をしぼってぬか床に戻す。出来上がりつつある乳酸菌を捨ててはもったいない。
野菜の汁はぬか床を美味しくしてくれるので、必ずしぼる。捨て漬け野菜がなくなれば、もう一度新しい捨て漬け野菜を加える。作り始めの時を含めて3回ほど捨て漬け野菜を加えていく(漬ける期間は計12〜15日間)。
捨て漬けが終わってからのぬか床の手入れ
「はじめの10日間は1日2回底からしっかり混ぜ、次の10〜20日間は1日1回に減らして混ぜていきます」と書いてあるのは、はじめの10日間で少しずつ乳酸菌が増え始めるので、10日以降は混ぜる回数を1回減らして酸素の少ない環境を好む乳酸菌をさらに増やす。
ぬか漬けの漬け方と床の保管
根菜類の漬け方
ぬか漬けにする野菜は、きゅうり、にんじん、大根、なす、オクラ、長芋などのカサのあるものは、漬かりが早くなるように水洗いした後に、軽く塩もみしてから漬ける。 後は、漬けあがりの時間を計算して、速く漬けたいなら半分に切るなどしてから漬け込みようにする。
夏場のぬか床
30℃以上になると、ぬか床の菌が発酵すしすぎる場合が多いので、夏の暑い時期は冷蔵庫に入れておくのがおすすめです。
とまあ、ここまでが「おまけ」のネット情報です。
まとめ
植物性の乳酸菌の素晴らしさを知ったことと、工房の精米機から出る糠がもったいないなーと思っていたことが結び付いて、ぬか漬けをやることになりました。
ぬか漬けの桶は檜の丸太から作ることにして水分調整を図ることにしました。
乳酸菌と仲良くしたい人は、ちゃんとしたぬか漬けを扱っている個人商店から買うか、自分で作るしかないようですね。
入れ歯人でも、あるいは歯があっても歯茎の弱い人でも、たっぷりとぬか漬けが食べられる方法にたどり着きました。
カモさんの 知識欲の範囲の広さに感心しています
次の課題を楽しみにしています
檜の糠漬け容器、漬物に、もったいないような気がしますが、飾っておくだけでも、1つ欲しく思います
お幾らになりますか?<
私も触発され 糠床を買ってきて胡瓜・人参・大根・オクラを漬けてみました。一晩漬け込むだけで美味しくなるなんて マジックですね
茹でた人参の糠漬けの発想に、入れ歯をしてみえる人の感想を伺いたいものです。しかしながら まだ丈夫な歯がある私もいつかはその時が来る時も、遠かず来るであろうと想定できるので、頭の隅に記憶させておきたいです。
人参の硬めに茹でたのを
糠床に入れてみた
生の人参ほどの歯ごたえは無いが、結構美味しかった。老人ホームの入れ歯をしてみえる方にはいいのではないかと、勧めたいです。
今回は大根レンジしたのが、掲載されていたので、試してみたいです