面白い本に出会った。
というより、面白い本を紹介している本に出会いました。

めちゃくちゃたまげました。

今、この記事を書いているカモジーの手を構成しているDNAの中に、ネアンデルタール人のDNAが入っているって言うんです!

この話を友人にしたところ、ごく当たり前のように知っていて、知らぬはカモジーばかりなりかもですが・・・

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本当でしょうか?

ほんとかいなって思いますよね。

半世紀以上前の話ですが、カモジーが中学の歴史だか理科の教科書には、ネアンデルタール人は絶滅して現生人類とは関係ないと書いてありました。

この本「35の名著でたどる科学史」小山慶太著で紹介されているところの「ネアンデルタール人は私たちと交配した」スヴァンテ・ペーボ著に書いてあることなんです。

カモジーはまだこの本を読んでいませんが、早く読みたいです。

「35の名著でたどる科学史」は、素粒子論専攻の著者が博士就職難の早稲田大学で運よく文系ではあるが、ポストを得られたことに端を発しています。

夏目漱石の「坊ちゃん」に辞令を返そうとするシーンがあるそうですが、著者も途方に暮れたそうです。

しかし、「オーバードクター問題」で超就職難の時に100人に一人の幸運を手放してはなるまじとて、もともと歴史好きだったこともあって、科学史を書くことになったのが、この本につながっているそうです。

カモジーは著者と同年代ですが、小説を読もうという気も起きず、なんか面白い本はないかなぁと思っていた矢先にこの本に出会えてすごくラッキーだったと思います。

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どんな本が紹介されているか?

この本の表題は35の名著とありますが、コラムの分を入れると40位あります。

アマゾンで見ればわかると思いますが。紹介されている本の表題をざっと書きます。

1.宇宙と光と革命の始まり 16世紀~17世紀

「近代科学の誕生」バターフィールド 1949
「天球の回転について」コペルニクス 1543
「宇宙の神秘」ケプラー 1596
「星界の報告」ガリレオ 1610
「天文対話」ガリレオ 1632
「新科学対話」ガリレオ 1638
「哲学原理」デカルト 1644
「光についての論考」ホイヘンス 1690
「プリンキピア」ニュートン 1687

コラム 「ミクログラフィア」フック 1665

2.プリズムと電気と技術の発展 18世紀

「光学」ニュートン 1704
「哲学書簡」ヴォルテール 1734
「人間機械論」ラ・メトリ 1747
「フランクリン自伝」フランクリン 1818
「化学原論」ラヴォアジェ 1789
「摩擦によって引き起こされる熱の源に関する研究」ランフォード 1798

コラム「アイザック・ニュートン卿の生涯についての回想録」ステュークリー 1752

3.神と悪魔とエネルギー 19世紀

「確率についての哲学的試論」ラプラス 1814
「自然認識の限界について」デュ・ボア・レーモン 1872
「火の動力についての考察」カルノー 1824
「ビーグル号航海記」ダーウィン 1839
「種の起源」ダーウィン 1859
「力と物質」ファラデー 1860
「ロウソクの科学」ファラデー 1861
「エーテル」マクスウェル 1875

4.ミクロと時空と宇宙論 20世紀前半

「X線からクォークまで」セグレ 1980
「運動物体の電気力学について」アインシュタイン 1905
「原子」ペラン 1913
「銀河の世界」ハッブル 1936
「サンバガエルの謎」ケストラー 1971

コラム 「光子の裁判」朝永振一郎 1949

5.遺伝子と古生物学と人類の進化 20世紀後半

「二重らせん」ワトソン 1968
「ロザリンド・フランクリンとDNA」セイヤー 1975
「白亜紀に夜がくる」パウエル 1998
「ピルトダウン」スペンサー 1990
「ルーシー」ジョハンソン、エディ 1981
「ワンダフル・ライフ」グールド 1989
「フルハウス生命の全容」グールド 1996

コラム 「ネアンデルタール人は私たちと交配した」スヴァンテ・ペーボ 2010

まとめ

この本は今年(2019)の刊行ですが、科学史の独特な読書案内という感じです。

ここで紹介されている本は、その時代の一流の科学者たちが、一般の読者のために書いたものがほとんどです。

著者はそれぞれの本の概略をエピソードを添えて、経験を生かして解説していきます。
ミステリーを読む感じになると思いますが、幸いなことにネタバレは寸止めにしてあります。

お馴染みのものも散見されますが、どうもカモジーの知っている話とだいぶ違っている感じがします。

特に5章は、同時代を生きている者にとっては、身近に感じられるものばかりで、始めに書いたネアンデルタール人の話は、二重らせんの発見が無ければ、わからなかったものですし、その後のDNAの解析法の発見が無ければ、まだ解らなかった話です。

早く読みたい!

歴史を逆に辿るのも面白いかもしれません。
それぞれの発見者が乗った、巨人の肩の階段を次々に降りて見ていく旅ができる気がします。

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