今日は電車の中でおもしろいことがありました。

電車のシートに座っている人は、大概スマホをいじっているものですが、その時はなんと本を読んでいる人が二人もいたのです。ジーちゃんとばーちゃんです。

ジーちゃんの方は、カバーを付けていなかったので表紙が見えたのですが、何やらエンジンという字が見えます。

んん~? なんとエンジンの熱効率が40%ですと?!

ピキキッっときたんですね、これが。 しかも世界一のエンジンとくるじゃありませんか!

スポンサーリンク

ムムムこれはなんじゃ?カモジーの係ではないかということで、早速スマホをいじって検索したところ、「つくりたいんは世界一のエンジンじゃろうが」という、もろ広島弁の題名の本でした。

圧縮比が14で熱効率が40%という非常識が書いてある本

こりゃあ早速入手せにゃと思いました。というのも、何年か前に週刊誌の記事の中に、マツダがなんか常識外れのエンジンを作ったというふうなことが書いてあったのです。

とにかくガソリンエンジンで、圧縮比が14というとてつもなく非常識な数字だったもので、覚えていたのです。

なにせ、カモジーの若い頃は、第一回日本グランプリが開催されたころで、カーグラフィックスにポルシェ356Bが紹介されていたころでした。高校生のカモジーはお小遣いをはたいて買ったものです。

そのころの高出力エンジンは、圧縮比を上げて11くらいにして、ノッキングさせないためにハイオクタンのガソリンを使うというのが常識でした。これは、この新エンジンが出るまでの半世紀は、ずっと常識だったと思います。

ようやく入手出来た

で、なんで電車に乗っていたのかも忘れて、新宿に着いてすぐに、ブックオフにすっ飛んで行ったのです。

そしたら、「在庫がありません。」ということで、今度は東口のブックオフへ・・・と、ここでも「在庫がありません」と冷たい反応。

チッチッ、それでは隣の紀伊国屋書店はどうだと行ったところ、ようやく「僅かですが、在庫がございます」ってことで、ようやくゲット出来たのです。

近くの喫茶店に飛び込んで、一気に読んでしまったことは言うまでもありません。

非常識な熱効率40%

この本には、かなりの衝撃的に非常識なこと、が書いてありました。

約120年前に内燃機関が現れてから、ズーッと改良がなされてきて、世界が行き着いた常識は、熱効率は30%が限度というところでした。

これをいきなり40%にするという途方もない目標に挑むということでした。

そのために、
ガソリンエンジンに関しては、それまでの高出力エンジンの圧縮比の限界であるところの11をはるかに超える14で回るエンジンであること。

ジーゼルエンジンに関しては、それまでの常識である圧縮比18~22をはるかに下回る14で回るエンジンであること。

まー、何から何まで型破りの開発の過程で、とうとう熱効率40%を達成するんです!

この本はよくある感動の開発物語ではなく、開発の手法の紹介なんですね。

なんかマツダという会社は面白いDNAがあるな~と思います。

その昔、ドイツのバンケルエンジンを世界中の自動車メーカーが実用化しようとして、結局あきらめたのだけれども、マツダがしつこく挑戦して、遂に実用化したんですね。

その昔、名神高速道路ができたころに、パトカーとして使われたコスモロータリースポーツカーを覚えています。

なんか、昔のホンダが本田宗一郎の下で、マスキー法をクリアーしたような宗一郎個人が持つDNAのようなものを、会社の風土として持っているような感じがします。

まとめ

今回は、偶然にというか、必然にというか遭遇した本で、大変に面白い可能性を垣間見たような気がしましたので、ご紹介しました。

改めて、
「つくりたいんは世界一のエンジンじゃろうが!」羽山信宏著 B&Tブックスです。

追記
この本に触発されて「マツダの魂 不屈の男 松田恒次」中村尚樹著 草思社 を読みました。
最近まで半世紀近く抱いていた、マツダは同族会社というネガティブなイメージは払拭されました。

ホンダのCVCCエンジンと同様にロータリーエンジンでマスキー法をクリアーしていたんですね!
食わず嫌いで知りませんでした。ごめんなさい。

SKYACTIVE-Rエンジンが楽しみです。

スポンサーリンク