うわーっ!いきなり降って来たー‼
やっぱり落っこちてるー!

ここ飛騨の高山では、11月に入ると、いつ雪が降ってもおかしくありません。
そうすると、工房近くのS字カーブで必ずと言っていいほど車が落っこちています。

シーズン始めに、まだ冬タイヤに交換していない地元ナンバーの車が落っこちているんです。

しかし、分かっていてもついつい冬タイヤにするのって、遅れてしまいませんか?

夏タイヤのままで、いきなり初雪に見舞われたなんて、コワイ体験が皆さんにもあるかもしれませんね。

というわけで、軽トラックのタイヤをスタッドレスに履き替える最適な時期を教えちゃいます。

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なぜ落っこちるの?!

原因はシーズン始めで雪道走行の感覚がまだ戻ってないことと、予期せぬ雪で夏タイヤのままだからなんですね。

このS字カーブは冬場以外では、ジモッピーの車は大体60~70km/hで回っています。
ここは制限速度が50km/hなので速度違反なんですが・・・。


もちろん雪が降り始めれば速度は控えるのですが、やっぱり冬場の感覚がまだ戻っていないんでしょうね。というより、夏タイヤでは確実に滑ります。

手前のカーブでコントロールを失って、何もできないうちに向こう側のカーブで落ちるんでしょう。

このカーブは、向こう側に落ちてもまぁ大した落差ではないので、大きな事故にはならないのですが、自力では上がってこれないので、レッカーを呼んだりしてジタバタしています。

今年(2019)の初落ちは大型トラック!

トラクションの関係か例年は軽乗用車が落ちていることが多いのですが、今年はなんとタイヤが十本の大型トラックが落ちていました。(この写真は上のS字カーブを抜けた所を逆の方向から撮ったものです)

降り始めたばかりでまだ2cmくらいのシャーベットの状態でした。
写真では道路上に雪があるようには見えませんが、ごく薄くシャーベット状の雪があります。

プロでも油断するとこうなるんですね~

トラックの左側の人物の向こう側に写っている緑色の箱は凍結防止剤を自動で散布する機械ですが、凍結には有効でもシャーベットのヌルヌルには無効ということですね。

カモジーは降り始めの時は、直線の道路で滑っても落ちないような所で対向車が無いのを確認して、時速40km以下で少し強めにブレーキをかけてロックの具合や滑り具合を確かめています。
降り始めのシャーベットの時は、いとも簡単に横を向いてしまいます。

ハイドロプレーニング現象とよく言われていますが、水の場合は深さやタイヤの溝にもよりますが、70~80km/hで水の膜の上に乗って滑り始めることがあります。
雪の降り始めのシャーベットの時は、水よりもはるかに低い速度でシャーベットのヌルヌル膜に乗って滑り始めるので、よほど気を付けなければなりません。

道路の電光表示板などには「早めの冬タイヤ装着を!」なんてことで注意を喚起していますが、なかなか億劫で、降ってから慌ててタイヤ交換をする方も多いようです。
それで上に書いたように、落っこちる方もチラホラ出てくるんですね。

それにしてもここのカーブのガードレールの付け方はチョイト不思議です。
カーブの内側にはガードレールがあるのですが、常に落ちてるカーブの外側にはありません。機械の保護のために機械のところだけにわずかに付けています。

いずれ付けると思いますが、それまでに何台が落ちることやら思いやられます。

恐怖のノーコントロール

カモジーは冬の最中に別のカーブを走行中でしたが、スタッドレスを履いていたのに、ハンドルは効かず、ブレーキも効かずにちゅるちゅるーと滑っていって、なすすべもなく雪の壁にドーンといったことがあります。

下の写真のカーブです。カーブに差し掛かってハンドルを切ったのですが、全く曲がらずにブレーキも効かずに真っ直ぐに突っ込みました。

本当に恐怖でした。

スタッドレスはフレッシュさが命

この時は、タイヤがかなり古くなっていて、経年劣化でゴムが硬くなっている上に、低温でさらに硬くなり、さすがのスタッドレスでも滑ったのだと思います。

1シーズンに最低1回は、こういうノーコン一直線か、スピンちゅるちゅるに遭遇します。
対向車線に車がいなかったから正面衝突にならなかっただけで、事故らなかったのは全くラッキーなだけだったのです。

滑るか滑らないかの差は、ごくわずかの差だったと思います。その差にはゴムの柔らかさ・しなやかさが大いに関係しています。

ゴムは経年劣化でどんどん硬くなっていきます。ゴムもフレッシュが一番なんですね。

保管の間にも劣化・硬化は進む!

夏タイヤにしている半年間の間にも、スタッドレスタイヤの経年劣化は進みます。

どんどん硬化が進んでスタッドレスではなく、トラクションレスになってしまいます。

高くても古いものよりも、安くても新しいものの方が良いと言えます。

そう言えば、カモジーの今シーズン(2018~2019)のスタッドレスは、ダンロップのWINTER MAXXという安いタイヤですが、一度もノーコン一直線もスピンちゅるちゅるという怖い目には遭いませんでした。

とにかく、スタッドレスは新しくて柔らかいものが一番だということを実感します。

一般的にスタッドレスの寿命は3シーズンと言われていますが、2シーズン使ったら、十分に山が残っていても取り替える方がいいでしょうね。

普通タイヤの寿命の感覚とは全く別のものだと思っていた方がいいです。

スパイクタイヤ?!

スタッドレスタイヤとは、「スタッド=鋲(びょう)」が「レス=ない」タイヤということです。

今を去ること半世紀
カモジーは東京にいましたが、スキーに行くためだけにスパイクタイヤを用意していました。

今の若い人はおそらく知らないでしょうが、スタッドタイヤとは言わずに、スパイクタイヤと言っていました。

しかし、道路への影響や、路面を削りながら走ることによる粉塵などから禁止されて、使用されなくなりました。

スパイクタイヤのころは、スパイクが氷を掴むので、今のようにゴムの劣化はさほど問題にはならなかったのです。

それで、スパイクタイヤは使わない時は、何年も保管していても大丈夫だったんです。

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冬タイヤへの交換時期はいつが最適なのか

こちらでは、冬はかなり雪が降り凍結もするので、スタッドレスの冬タイヤが不可欠ですが、交換時期で悩んだりすることもあります。

一般的には、12月に入ったら早めに 交換しておくと、安心です。
カモジーのいる高山のように寒い地方では、11月中に降ることもままありますので、11月の半ばすぎには交換した方がいいでしょうね。

でも交換時期を逸するとエライ目に遭いかねません。

一番良いのは、一年中スタッドレスタイヤを履き続けることです。

冬タイヤのスタッドレスを履きっぱなしにする

乗用車はともかく軽トラでは、コーナリングがどうのこうのということはあまり問題にすることもありませんので、年間を通して冬タイヤを履いている方がかなりいます。

走行距離にもよりますが、一般的にはほぼ3シーズンは使えると言われています。が、上にも書いたように2シーズン使ったら交換することにするのがいいと思います。

履きっぱなしにすると

履きっぱなしにする利点は

  • シーズン始めの思わぬ事故を防げる
  • 交換の時期を気にする必要がなくなる
  • 季節ごとのタイヤ交換の手間がなくなる(年間2回)
  • ゴムが劣化する前に使い切ることができる
  • タイヤを保管するスペースが不要になる
  • 費用が安くなる

といった様々な利点があります。

しかし、スタッドレスは燃費が悪いという話も聞きます。

そこで調べてみました。

スタッドレスは本当に燃費が悪いのか?

スタッドレスタイヤは燃費が悪くなる。 いや関係ない・・
自動車業界の人間は関係ない派が多いようですが、ネット上でも意見が二分しています。
よく聞く話ですね。

ネット上では新旧の記事が混在していて、まだまだ燃費が悪いという空気のようです。

確かに昔はスタッドレスの燃費は悪かったようですが、近年は技術が進歩して低燃費を謳ったスタッドレスも増えています。

スタッドレスにして燃費が良くなったというグラフもあります。

燃費が悪くなったという記事も、エアコンの使用の有無などの測定条件のことが書かれてなくて、はっきりしません。

そこでカモジーは、測定条件をしっかりさせて実測してみることにしました。

キロポストで補正して比較する

次のような条件で測定します。

  • 満タン法で比較する
  • 空気圧は2.5kで統一する
  • 走行距離はキロポストで補正する
  • エアコンは使わない(というよりついてない)
  • 50~60km/hの定常運転を心掛ける

今回のように違うタイヤで比較する場合は、タイヤ外周の寸法が違うので、走行距離計の値だけでは正確な比較はできません。
夏タイヤの外周は680mm、スタッドレスタイヤの外周は720mmでした。

そこで、キロポストを使って補正します。この補正を各タイヤで3回やって平均値を使うことにします。

余談ですが、このキロポストはGSGのメンバーの城井信正がデザインしたものです。
日本全国の国道や県道の1km毎に立っています。
さらに余談ですが、後ろの建物はカモジーの工房です。

先にスタッドレスタイヤ(冬タイヤ)での燃費を計測しました。

走行距離計での値は391.35km、キロポストによって補正(0.9756)すると381.8kmで、約10kmの差、実際の距離より2.6%多く表示されていました。意外と大きい誤差なんですね。

実走行距離381.8kmmでガソリンは27.76lでした。 燃費は、13.75km/lです。

次にノーマルタイヤ(夏タイヤ)での燃費を計測しました。

走行距離計での値は385.65km、キロポストによって補正(0.9682)すると373.4kmで、約12kmの差、実際の距離より3.3%多く表示されていました。

実走行距離373.4kmでガソリンは27.66lでした。 燃費は、13.50km/lです。

ノーマルタイヤの燃費13.50km/lに対して、スタッドレスタイヤは13.75km/lと僅かですが、スタッドレスタイヤの方が、かえっていいという結果になりました。

少し悪いかと予測していたのですが、意外でした。

結論はノーマルタイヤとスタッドレスタイヤの燃費の差はないということでした。

余談ですが、計測中に気が付いた事がありました。
この間に雨の日が2回あり、雨で路面のミュー(摩擦率)が下がって、かなりのスリップ量が出ると思ったのですが、キロポストで計測するとほとんど差がなかったんです。意外でした。

実はカモジーは大失敗をしてしまいました。

前のスズキキャリー4WDの時は、スタッドレスを履きっぱなしにしていたのですが、寄る年波には勝てず、フロントガラスにはヒビが入り、ボディは融雪剤でグサグサになり、泣く泣くこれまた古いスバルサンバーの4WDに替えたのです。

もう冬が迫っていたので冬タイヤに変えなければいけなかったのですが、夏タイヤがまだ結構山が残っていたので、ついついもったいないな~と思って、処分せずにホイール付きのスタッドレスを買ってしまったのです。

で、今は夏なのですが冬タイヤのスタッドレスを履いたままです。

でもこのままでは夏タイヤはずーっと残ったままになってしまいますので、やっぱり冬まではタイヤ交換して使ってしまわなければなりません。

上に書いた六つの利点に反したことを全部やってしまっています。トホホです。カモジーのバカバカ!

まとめ

冬場を前にした冬タイヤへの交換時期については、特に軽トラの場合は履きっぱなしにしたほうがいいということで、気にしなくても大丈夫(O.K.)と思っています。

上に書いたように履きっぱなしにすると

  • シーズン始めの思わぬ事故を防げる
  • 交換の時期を気にする必要がなくなる
  • 季節ごとのタイヤ交換の手間がなくなる(年間2回)
  • ゴムが劣化する前に使い切ることができる
  • タイヤを保管するスペースが不要になる
  • 費用が安くなる

結論としては雪国の軽トラのタイヤは年間を通して、スタッドレスを履きっぱなしにするのが最良ということでした。

シーズン始めの事故も、ゴムの劣化が原因の事故も防げるし、手間が省けて随分と楽になれますね。

スタッドレスに限って言えば、まだ山があるから大丈夫と過信するのははなはだ危険です。
大丈夫かどうかは、どれだけ新しく、柔らかでしなやかなのか?で判断しなければなりません。

また、1シーズンに2~3度は雪が降る、例えば東京のようなところでは、オールシーズンタイヤという選択肢もありですね。

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