皆さんは、カンナの刃が切れなくなったり、刃が欠けたりした時には、どうされていますか?
荒砥➡中砥➡仕上砥というふうにしっかりと研いでいる方にはこの話は不要ですが。
なかなかうまく研げない、筋力が低下して、疲れる。
といった方には参考にして頂ける、使い方の話かなと思います。
刃の切れ角をどうするか?
さて、これはなんでありましょうか?
友人がメールで写真を送ってくれたのですが、自分は説明されるまで全くわかりませんでした。
これは友人が仕入れた洋カンナ用の刃研ぎジグだそうです。
洋ガンナってご存知かもしれませんが、押して削るんですね!
のこぎりもカンナも日本とは正反対!なぜなんでしょう?
知っている方がおられましたら教えてください。
話を戻すと、このジグは実に細かく刃先角の設定などが調整できるようになっていて、しろうとがやっても確実に研げるようになっています。
いかにも西欧的ではありますね。
しろうとがやっても削った木の厚さが10ミクロンというのはスゴイですね~。目安は削ったものを新聞に載せて活字が透けて読めることだそうです。ヒェエ~!
和ガンナの研ぎのジグはあるか?
翻って、和カンナの研ぎはというと、ひたすら手加減を鍛錬して一定角および水平を保持することに励んでいるようです。
もちろん職人さんには当然のことでありましょうが、我々素人にとってはなかなかにたいへんなことであります。
刃研ぎで指紋が無くなってしまっても、なかなかです。
なにか「道」のようでありまして、簡単にできてはイケナイ的な雰囲気があります。
が、プロの方でも使い捨ての替刃のカンナってーのも使うようであります。
洋鉋の各種のジグに対して和鉋のものは多少はあっても圧倒的に少ないですね~
DIYでは多くの方が角度を保持するためのジグを作っています。
洋鉋の刃は全鋼ですが、和鉋の刃は鋼は一部です。
ということは研ぎが楽だということだと思うのであります。
だからジグが発達しなかったのかな~?
いやいや、やはり「道」的な要素があったのだろうか・・・
ここで老人力ツールの話なんですが、古材などを削っていて隠れ釘などにぶち当たって、刃が大きく欠けるなんてーことがままありますよね。
トホホですね。そんな時、荒砥を使って刃欠けのところまで研ぎ降ろそうとするとなるとかなりの労力で、カモジー(当工房の主のニックネーム)のように筋力の衰えたしろうとのジーサンにははなはだ苦痛なのであります。
荒研ぎに特化した研ぎのジグ
そこで荒研ぎだけは機械でやってしまえ~ということでつくったのがこのジグです。
角度を一定にできるジグを作って鉋の刃を固定し、ベルトサンダの#60で刃欠けを砥ぎ降ろそうという作戦です。もちろん一度にやらずに冷やしながらやります。でも、あっという間にできてしまいます。
スピコン(スピードコントローラー)を使って、火花が出ない程度に回転数を落としてやるとさらにいいです。
火花がバンバン出るような状態でやると、刃の焼入れが戻るし、ベルトサンダーの内部に溜まった木粉などに火がつく危険があります。
次に#3000位の中砥で研ぎます。荒研ぎでしっかりと面が出来ているので、この段階では僅かに角度を起こして比較的簡単に刃を付けることができます。
後は仕上砥で少しばかりカエリをとって、これでバッチリ削れます。
荒砥で大きな刃欠けを落とすのはなかなかに大変ですが、このお手軽砥ぎなら、すごく楽にできます。
無謀にも和鉋用のお手軽ジグを画策するカモジーでありました。
余談ですが、このリョービのベルトサンダーは安価な割に、作りもまあまあしっかりしていて、モーターも長持ちしています。大きさも手頃で、友人の木工家にも愛用者が多く、おすすめできます。
以前は海外製の安い(数千円)ものを買って、モーターが直ぐに焼けて、エライ目に遭いました。
アマゾンでは19,793円でした(2019.1現在)
まとめ
ほとんど素人さんであるカモジーにとっては、角度一定で丸めずに研ぐというのは至難の業であります。
最初の荒研ぎだけを正確簡単なジグの助けを借りてやれれば、あとは比較的楽に仕上げることができます。
やらなければ、やらなければ、いつかやるぞと先延ばししないでも、やれるようになるかもしれません。
参考にしていただければ嬉しい限りです。
鋸も鉋も外国が押すのに日本では、引くのは体力の違いです。力が強く、体力がある外国人は押すことで、正確な反復動作ができるからです。
今でこそ、日本人の体格も向上してきましたが、飛鳥時代は150㎝が標準の体格であり、体全体を使い、足腰の
粘りで作業できる、引く動作が必然でした。
というわけで、引く動作が、日本人の体格にあった必然的な方法でありました。
なお、当時の宮大工の能力、体力、技術力は現在の3倍あったとされています。
以上