よく切れる、面白いハサミを見つけました。
普通は、切れ味が悪くなると、アルミ箔などを切って切れ味を回復させていますが、それでもフニャフニャやベタベタは切りにくいものです。
このハサミは、その独特な刃の動きで、お互いを研ぎあうようなことになって、自己回復するという具合のようです。
こんなハサミは初めて見ました。
なんでこんなことができるかというと
剪断に引き切りの要素を加えている
支点が二つというか、ん~~、支点が二つというのは変ですね。
スイング構造というらしいです。
刃物で有名な岐阜県関市の製品です。さすが関の孫六の子孫だ!よく切れる。
あー!いま気が付いたけど、挟んで切るからハサミなんですね~(ホントかな?)
ハサミは一般に、断ち切るせん断ですが、このハサミは包丁のように引き切る要素を加えていて、双方の刃がお互いに引き切る動きをしています。
その結果、切れ刃角が鋭くなって、よく切れるようになっています。
また、この動きによって、自己回復作用にもなっているようです。
このハサミはカモジーの工房の近くの道の駅で見つけたものですが、たいしたものは置いてないだろうと思って手に取ってみると、関の製品とあり、関の製品なら間違いなかろうかということで、ゲットしました。
いろいろと探しているうちに、その名もスイングカットというそのものズバリの製品も見つけました。こちらは、リンク機構ではなく、偏心のカムを使って支点の位置をズラしているようです。
いずれも引き切りの要素を加えるために、支点をズラすことをやっています。
この引き切りの要素を取り入れたものとして、一方の刃が直線で、もう一方の刃が曲線になっているものもあります。
プルーナーアール刃というらしい。長さの異なる刃を組み合わせることで、引き切りを実現しています。
構造的には三番目のものがもっとも単純で素直な設計ですね。
このプルーナーアール刃のものを見てから、改めて工房のハサミ類を見直してみると、ありました!意外と身近にあるかもしれませんね。
文章で説明するのは難しいので、写真を載せます。
これが引き切りの要素を持ったハサミの姿
長穴の中を支点が移動していく構造になっている。裏も同様な構造です。
これは、ネットで探せばすぐにでて来るだろうと思ったのですが、「よく切れるハサミ」とかで検索しても、なかなか探せませんでした。ということで紹介することにします。
フィルムやビニールなどコシのないペナペナの薄物は、この引き切りによる鋭さが無いと切りにくいのです。梱包用のプチプチシートなんかもそうです。厚手の両面テープなんかも、粘着剤が刃にくっついて、単純な剪断だけのハサミだとなかなか切りにくいです。
お互いに引き切るを動きをするので、単に剪断の動きをするよりも、お互いの刃を研ぎあうことになっている。ということは、より長持ちをするということにもなるわけですね。
猫が柱をバリバリとひっかいて爪を研ぐ時に、相手の柱も爪になっていて、お互いに研ぎあうようなイメージでしょうか。
まとめ
いままでいろいろなハサミをさほど考えることなく使ってきましたが、これからはこの引き切りの要素が入っているかどうかを判断の基準に加えようと思いました。
ここで紹介したハサミは、いずれも千円以下で買えるものですが、数万円する裁ちばさみにも匹敵するスグレモノだと思います。
ハサミを選ぶ際の参考にしていただければ、嬉しい限りです。